闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.611
2012年5月21日

 

             「一体改革が審議入り」




●改革に必要な環境づくり

 社会保障と税の一体改革特別委員会が審議入りし、本格的議論がはじまりました。一体改革を進めるには、第一に消費税増税に対する環境づくりが必要になってくると思います。
 特に、日本にとって大切なのは人口問題であり、既にはじまっている人口減少への対策を怠れば深刻な状態となってしまうのです。加えて日本の長寿国家は喜ばしいことですが、大変なスピードで進む高齢化は65歳以上の人口が全体の23%をしめ、この割合が今後さらに大きくなっていこうとしています。年金によって若者世代が高齢者を支える仕組みは6人に1人から今は3人に1人、この状態を放置しておけばすぐに1人が1人を支えなければならなくなってしまいます。そうならないためにも年金、医療、介護、子育てをセットにした社会保障制度を先送りせずに確かなものにしていかなければならないのです。
 今や増税ばかりが俎上に乗せられていますが、戦後の荒廃から今日の日本経済を築きあげてきたのは高齢者の力によることを忘れてはなりません。

 

●少子・高齢への取り組み

 これから産まれてくる子どもたちが生産年齢人口(15歳〜65歳未満)の中心となっていくまでは最短でも15年かかることになります。15年後の日本がどうなっていくかの議論も大切ですが、今はそれ以上にやらなければならないのは、少子社会にならないようにストップをかける政策を打ち出していくことです。少子高齢社会が進むと労働力と生産年齢人口の減少によってマーケットが縮小し日本の社会構造が一変してしまいます。この点を国民も与野党政治家も認識を共有し、このことを前提として社会保障と税の一体改革の必要性を国民に説明していかなければならないのですが、今や増税だけが議論の対象になってしまっています。

 

●増税の前提条件を明確に

 今回の消費税増税は、2年後の2014年4月に8%、2015年10月に10%となっていて、国会議員にとって「増税」は選挙で厳しい結果をもたらすことは今までの経緯からも明らかです。しかしそれを敢えて承知のうえで、国民の理解を得ることが必要となっています。そして、その間に「増税」の前提条件として経済成長率を名目3%、実質2%の数値目標を示すように、景気を回復させることができなければ増税などできるはずはないのです。
 景気回復と合わせ、国民に増税をお願いするのであれば、まず国会議員の定数と歳費削減、選挙制度改革を実行する。国家公務員も定数と給与の削減を行ない、天下りの温床となっている特殊法人、独立行政法人をスクラップ&ビルドなどの行政改革を行ない、ムダを徹底的になくしていくことです。
 また、大蔵省(現・財務省)が国民からの税金の出も入りもすべてを握ってきたことによる問題点が指摘されてきています。これを変えていかなければなりません。歳入庁を創設し、年金、医療、介護などの保険料や税の徴収を一元化することで行政の効率化やコストの削減を図っていくことも必要です。
 税の出入りをハッキリさせていかなければならない中で、ただ増税案だけを通そうとしても国民からの理解は得られるものではありません。特別委員会ではこれらの審議も十分深めていくことが大切だと感じています。

  

●デフレ脱却に総合的対策を

 日・中・韓3カ国のFTA(自由貿易協定)について、今年中の交渉入りに方向性を見いだしていくことで一致しました。また、総理がアメリカでのG8(主要8カ国首脳会議)に出向き、欧州の債務危機に対する政策協調について話し合われましたが、このまま無策ではユーロ圏での経済危機は日本経済に深刻な影響を及ぼすことになってきます。
 円高、株安対策として政府は日銀と一体となって金融緩和を進めていかなければなりません。加えて特区構想など新成長戦略の加速も待ったなしです。
 世界ではロシア、フランスの元首が交代しアメリカ、韓国も大統領選を控え、中国でも主席の交代が間近になっています。世界のトップが入れ替わる中で日本の総理は積極的に国の姿勢をアピールして世界の流れに乗り遅れないようにすることです。
 国内外への総合的な取り組みが結果的に日本のデフレ脱却、景気対策にもつながります。社会保障・税の一体改革実現を前に、これらを碓かなものにしていかなければなりません。