闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.603
2012年1月30日

 

           「国難からの脱却国会に」



●先ず雇用の安定を

 国会が始まって野田総理の施政方針演説に対する各党の質疑が行われました。今後は各委員会での法案審議が始まっていきます。特に今国会は未曾有の国難から如何に脱却していくか大事な国会です。震災からの復旧・復興とあわせ、日本経済の再生が大きな課題となっています。そのなかでも、先ずは生活の基盤である雇用の場を早急に確保していかなければ、国民の暮らしはもとより、日本経済そのものが危機的状況から抜け出せなくなってしまいます。

 

●日本経済の再生は重い政治への責任

 「日本経済を再生させる。」言うのは簡単ですが、今回の国会質疑の中で感じることは原子力事故の収束を前提に、新エネルギー、環境、そして医療、介護、食と農林漁業、海洋資源開発など、国が掲げる新成長戦略の実現に向けて、政治が責任ある立場で日本の活力を取り戻していくことができるのかということです。そのためには、与野党の対立ありきではなく、国を挙げて喫緊の課題である大震災復興への取り組みを十分なものにしていかなければならないのです。
 リーマン・ショック以来続く景気の低迷、そしてユーロ圏の財政・金融危機、長引くデフレ、円高が進むなかで中小企業の税制見直しが行なわれました。しかし、これだけで中小企業が生き残っていけるとは思えません。苦境のなか、中小企業が如何にモノづくりを中心に企業力をつけていくことができるのか。早期に国としての明確な方向性を打ち出していかなければならないと思っています。
 今国会では、中小企業資金繰り、震災復興関連予算を含んだ4次補正の速やかな成立と、来年度予算案の早期審議入りを果たし、政治主導によって中小企業を含めた日本企業の活力を高めるための景気対策を本格化させ、日本経済の再生を図っていかなければならないのです。
 社会保障制度の確立は国民生活の安心と日本の将来像を描く上で大切です。世界一の長寿国でありながら深刻な少子化と合わせ、世界に類を見ない早さで人口減少が始まっています。年金、医療、介護、そして子育てをワンパッケージにし、やるべき対策には「良いとか悪いとか」ではなく、避けて通れない深刻な問題であることを政治が十分に認識し、与野党が一丸となって将来不安を取り除いていかなければならないのです。

 

●増税をする前に徹底的なムダ削減

 その財源としての消費税増税が検討されていますが、私は消費税を福祉目的税化するとの問題ばかりでなく、税金のムダ遣いについて徹底的な改革が必要だと思っています。
 公益、独立行政法人(独法)の削減、特別会計(特会)の見直し、国家公務員宿舎の削減、政府資産の売却などに手をつけていかなければ消費税増税への国民の理解は得られません。
 今回、政府の行政刷新会議が独法を102から65に、特会を17から11に再編する基本方針を示しています。既に私たちは政権交代前から独法など、国の予算から年12兆6000億円の補助金・交付金が官僚OBの天下り法人にムダに使われていることを明らかにしました。現在でも特会のうち削減余地のある裁量的経費は年11兆6000億円、独法への支出は年3兆円余りもあり、事業運営が非効率で不透明、ムダの温床となっているところに貴重な財源が官僚OBのために注ぎ込まれているのです。
 役人の特権が温存されムダ遣いが続くことのないように、すぐにでも特会、独法は改革していかなければなりません。
 国民へは復興増税が決まり、所得税が増税されようとしています。その上、財源が足りないからと消費税増税も決められていこうとしています。増税や社会保障費を切り捨てて国民に負担を強いる前にやるべきことがあります。それは国会議員の定数と歳費削減、そして公務員の給与削減です。公務員給与の削減案については昨年の国会で野党の反対にあい、却って増えてしまいました。国の税収が減ったのであれば、関連して自動的に減らしていく仕組みづくりが必要なのです。政治・行政改革実現に向けて真剣に取り組んでいきます。