闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.599
2011年12月5日

 

           「野田政権初の合同審査会」


 野田政権が誕生し、初めての党首討論が行なわれました。国家の基本政策について与野党党首による議論が、わずか45分間という限られた時間の中で行われたわけですが、そもそも、この党首討論は官僚主導の政治打破をめざして、第147通常国会(2000年2月)から、国家基本政策委員会の中の合同審査会で始まったものです。イギリス下院本会議の党首定例討論をモデルに、官僚が答弁をする政府委員制度を廃止し、政治家同士の議論を深めようとの狙いで始められたのです。
 私はこの委員会の常任委員長を務めていますが、イギリスの議会制度に見習って行われる日本版党首討論には改革の必要性を感じています。
 今、日本の総理は国内は勿論、海外の膨大な諸案件を抱えながら政務に携わり、その間に予算委員会だけでなく、求められれば答弁のために衆参各委員会に出席しなければならないのが現状です。ところが、イギリスやアメリカでは、首相や大統領が度々出席しているものではないのです。
 総理としては委員会の答弁以外の政務に専念することが必要な場合もあります。そして、各委員会にはそれぞれ総理に代わる担当大臣も副大臣もいます。
 多忙の中、総理が各委員会ごとに答弁のためだけにその都度貴重な時間を費やすことが適当なのか、すべての閣僚が出席する予算委員会と国家基本政策委員会だけに原則総理が出席すればいいようにすることを考えるべきであり、委員会の改革に手を付ける必要性を感じています。

 

●増税が景気回復の足を引っ張ってはならない

 終盤国会を迎え、社会保障と税の一体改革に関する議論が行われ、その中で民主党のマニフェストにも示され、懸案となっている年金の 一 元化をどのように進めていくかも取り挙げられています。
 年金、医療など社会保障費の負担が毎年1・1兆円も増え続け、このままでは制度を維持することは困難です。維持可能なものにしていくために将来的には年金を 一 元化し、最低保障年金の確保、そして国民年金と生活保護制度との間の支給額の逆転現象も解決していかなければなりません。今は、その途中段階での議論を進めているところです。
 消費税増税についても議論されています。政府は2010年代半ば迄に10%の引き上げを示唆していますが、政治家も役人も無駄と我が身を削る覚悟も示さずに、増税では国民の賛同は得られません。大震災に加えてデフレ、円高、株安が続く状況下での増税には納得できません。来年度の税制改正についても、私は党の税制調査会で増税よりも経済の状況を見極め、先ずは景気回復が第1と、主張しています。

 

●日本再生に動きだした総理のしたたか外交

 TPP(環太平洋経済連携協定)についても議論が闘わされています。今や日本は経済でも金融でも、例えば円高を何とかしようとしても、我が国だけではどうにもならないほどグローバル化が進んでいます。このことからも、外交への取り組みは避けて通れません。経済活動を高めるためにはアジア・太平洋における自由貿易圏の枠組みづくりが重要になってきています。
 総理はAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、そしてASEAN+3(東南アジア諸国連合プラス日・中・韓)へと、立て続けに出向いて閉塞状況にある日本の経済を何とかしようと、外交姿勢を強めています。FTA(二国間の自由貿易協定)についても早期の交渉開始をめざしていかなければならない状況にあります。
 震災後の日本にとって、アジア・太平洋地域の経済連携、貿易協定は日本経済を立ち直らせるために欠かせません。だからこそ外交問題に取り組む総理の動きを縛るような国会、委員会であってはならないのです。
 アメリカはパン食文化を中心に発展してきました。これと同様、日本はコメを主食の文化を築いてきました。各国それぞれ、独自の文化と伝統があります。これを重んじつつ、国益を守るべきことはハッキリと主張していく。そして他国が何と言おうと、ものごとに動じない強い意志と、したたかな外交姿勢こそが今一番、総理に求められていると思います。