闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.591
2011年8月15日

 

            「終戦記念に救国を思う」



 終戦から66年、日本は今、戦後最大の国難に見舞われています。大震災からの復興を急がなければなりません。加えて歴史的な超円高、株安、そしてデフレ経済が続き、76円台にまで進んだ円高は輸出、モノづくり産業に壊滅的な打撃となって、産業の空洞化に歯止めがかからない状況が危惧されています。政治がしっかりとした方向性を示していかないと、日本は駄目になってしまいます。それなのに国家・国民の生活をまもるための政治が、本来やらなければならない政策論争を置き去りに、政局に明け暮れています。政策を後回しのツケは、将来にわたり国民生活に重くのしかかってきます。この難局を乗り越えるために、議員一人ひとりが死に物狂いで救国政治の実現に立ち向かっていかなければなりません。

 

●国益にならない政局論争

 赤字国債を発行するために必要な特例公債法案。これを成立させるために、私たち民主党の掲げた子ども手当の廃止を迫った自民・公明党。これは3党合意で一段落しましたが、合意に至るまでは児童手当に戻せなどのやり取りがありました。所得制限が設けられ、一部修正されたものの、中身はそれほど変わらず、むしろ給付額が増えて自民・公明党の児童手当よりも優れた内容になっています。少子化対策と、社会全体で子育てを応援する、民主党の子ども手当の理念はしっかり存続しています。
 自民・公明党が子ども手当の廃止にこだわったのは、政局絡みの何ものでもありません。子ども手当が廃止され、児童手当が復活するような報道がされていますが間違いです。
 地方への補助金や交付金、そして東日本大震災の復興財源に影響する特例公債法案が衆院を通過し、ようやく今国会での成立にメドがつきました。同じように衆院経済産業委員会で審議を続けている再生可能エネルギー法案も、参院送りが視野に入っていました。ところが、委員会を開くための理事懇談会を自民・公明党が度々拒否するなど、思うに任せず審議がズレ込んで、政局絡みの委員会運営になってしまいました。
 真剣に議論を戦わすべきときに、野党は参議院と衆議院のねじれ現象に乗じ、高校の授業料無償化、農家の戸別所得補償の見直しなど、徐々にハードルを上げ、政局を露骨にうちだしてきています。
 私たちの公約がバラマキと指摘する自民・公明党ですが、赤字国債を抜きにして成り立たない財政構造をつくり上げ、借金を積み重ねてきたのは自民党政権です。国難に直面する日本にとって、法案の成立を政局に絡めて遅らせることは何の利益にもならないことを自覚すべきです。
 

 

●仏と全く違う危機意識

 終戦66年を迎えたこの夏、広島、長崎の原爆の日に核の廃絶や原子力政策についての議論がなされました。日本の発展をみたときに、エネルギー政策は間違っていなかったと思います。ただ、原子力エネルギーのあり方について安全と危険を共有しながらも、安全であるとの神話のもとに進められてきてしまいました。
 7月に、私は委員会の再生可能エネルギー法案の審議に先立ち、欧州3カ国の調査に出向きました。そのなかで、原子力がエネルギーの8割をしめるフランス。将来に向けて再生可能エネルギーの方向に少しずつ変わってきていますが、フランスと日本は原子力に対する危機意識がまったく違っていることがわかりました。
 日本は原子力の安全性について事故は起こさないものとの考えです。ところがフランスは事故は起こりうるものとの前提で、発想がまったく違っているのです。危機管理については学ぶところが数多くありました。
 福島第1原子力発電所の1から6号機までは廃炉にするにしても今後の日本の新エネルギー政策をどうするか。技術開発は確実に進んでいますが、日本全体で再生可能エネルギーの占める割合はまだ1%程度です。これを10年後には10%、20年後には30%と社会情勢や経済活動、そして国民のニーズに合わせた形でつくり上げていかなければなりません。
 日本のエネルギー政策は、環境と地球温暖化を考慮に入れながら、従来の原子力エネルギー政策依存の見直しと併せ、新たなエネルギー政策が必要になってきているのです。