闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.573
2010年12月13日

 

「厳しい経済 雇用問題
政局より政策論争を」


  

● 政局絡みの臨時国会

 会期64日間の臨時国会が終了しました。厳しい日本経済、雇用環境が続く中、一刻も早い景気回復のための補正が必要と、5兆1000億円の予算案を組んで審議を進めてきました。ところがこの間、野党は予算委員会や各委員会で景気対策のための議論を深めるどころか、中国漁船衝突事件のビデオ公開問題など、与党を揺さぶる好材料とばかりに政局にし、さらに参議院では仙谷官房長官、馬淵国土交通大臣の問責決議案を提出するなど、予算審議を差し置いて国会は野党の思惑通り一挙に政策論争から政局がらみとなってしまいました。
 また、北朝鮮による韓国延坪島(ヨンビョンド)への砲撃で北東アジアの緊張感が一挙に高まり、メドべージェフ・ロシア大統領が初めて国後島を訪問するなど慌ただしい動きをみせました。北方4島を含めた千島列島は日本固有の領土であり、返還に関するこれまでの経緯がロシア大統領の訪問によって踏みにじられてしまった感があります。中国との領土問題がロシアにまで波及し、自民党政権下で曖昧にしてきた過去のツケが一挙に吹き出た形となりました。
 領土問題にしても、昨今のマスコミは政局ばかりを取りあげ、興味本位の報道が主流となっているように感じてなりません。特に今回の尖閣問題にからむ野党とマスコミによる閣僚批判は相手国を利するだけです。国益を守る観点からは決して好ましくありません。民主党が政権交代してからの1年4ケ月、政権基盤が安定しない中での政局、特に外交問題は与・野党が一丸となって取り組むべき課題。野党もマスコミも報道にはもっと慎重であるべきで、それよりも苦しさを増す国民の暮らしを一日も早く改善するために、景気・経済、雇用問題を最優先に取りあげて政策論争を徹底的に戦わせていくことが何よりも大切だと思います。

 

 

●党と政府にかい離 菅総理に申し入れ

  APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が地元横浜で開催されました。ここで貿易の自由化で関税を例外なく撤廃するTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が取りあげられ、モノづくりをはじめとする国内の輸出産業界と農業団体などで立場の違いが鮮明化しました。農業関連では、自民党政権下で表面化しなかった難しい問題が浮き彫りになりました。また金融、医療、介護分野にまで影響が及んでいきます。
 このような経緯の中で、私は9日、直嶋前経済産業大臣、山根副幹事長と共に官邸を訪れ、党と政府が一体となった取り組みが必要であることを菅総理に申し述べました。
 そのひとつ、政府税調では来年度予算に関連する税のあり方が検討されていますが、この間、党税調でも約2ケ月にわたって厳しい国際競争下における日本の法人税を40%から5%引き下げる、中小企業においては18%を11%に引き下げることなど、議論を重ねてきました。ここでは党としての意見集約ができたのに、党と政府税調とに、かい離が生じてしまっています。私は党の方針を最優先すべきとの考えを持っていて、そのことを総理に申し入れました。
 さらに政務3役、なかでも副大臣、政務官は本来の任務である党の政策遂行と、一方では各党への事前説明を行うべきなのに、それが十分に機能していない点を申しあげました。
 今回の補正予算でも、中小企業、子育て、医療・福祉、人材育成など、使い方について国民への説明が不十分です。来年度の予算編成でも国民の要望を最重点に、総理の方針でもある地域活性化、新成長戦略を具体的に示していくべきなのに、政府の公報はその認識に欠けています。予算案の内容など、もっと情報発信に力を注ぐよう申し入れを行いました。