闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.572
2010年11月29日

 

       「与野党一致団結して 国難に立ち向かえ」




● 歴史の教訓から学べ

 混迷を続ける世界経済に対し、アジア共同体のもとで元気を取戻そうとAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれ、高い経済成長をめざす横浜宣言が採択されました。これからはしっかりとした経済政策、安全対策を講じていかなければなりません。横浜宣言では、関税を例外なく完全撤廃し自由に貿易ができるようにするTPPが含まれ、日本の将来を考えると問題点を抱えた大変重い内容になっていると思います。
 かつて、浦賀にペリー提督率いる黒船が来航し、その後開国を迫られて慌てた徳川幕府。根底にあった経済問題で第2次世界大戦へと突き進んでいった当時の日本政府。その時々の時代背景、対応によって国のあり方が大きく変わってきたことがわかります。激変する世界情勢に日本がどのように立ち向かっていくか、揺るぎない強固な政治姿勢が必要なことを、歴史の教訓から学び取らなければならないと強く感じます。 

 

●指導力こそ元気の源

 資源の乏しい日本は技術という付加価値によってモノづくり先進国として輸出を拡大してきました。しかし今では韓国や中国など、新興国が急激な進歩を遂げ日本を凌ぐまでになりました。それは、日本企業が韓国に進出し、技術を提供し、それをマスターしたことによって自動車のヒュンダイや電気のサムスンなど、めざましい成長を遂げたからです。
 日本企業が安価な製造コストを求めて進出した中国も、日本の技術をマスターし急成長を遂げています。韓国へも中国へも日本が良しとしてきたことが、皮肉にも円高、デフレで苦しむ結果となってしまっています。
 今の日本は黒船、第2次大戦のときのように、まさに政治が右往左往し、行き場を見失った状況に似ています。政権交代が実現し、菅政権に強いリーダーシップが求められる今こそ、これに応えていくことが日本の元気を取戻すために必要なのです。

 

●揚げ足取りに終止符を

 しかし、問題はリーダーシップだけではありません。長きにわたる自民党政権下での問題点をそのまま引きずってきたことも今日の政治の閉塞状況につながっていると思います。
 領土もそのひとつ。今回、尖閣沖の中国漁船衝突事件、ビデオ映像公開の対応で外交慣れしない経験の欠如からそのタイミングを失い、また自民党政権下で結論がだせないまま今日に至っているロシアとの北方4島返還問題。官房長官発言や前法務大臣の発言を含めた政局論争ばかりが毎日のように繰り返されました。このような国会を続けていては、中国、ロシアから足下を見透かされるばかりです。尖閣も北方4島も日本古来の領土であることは間違いありません。中国、ロシアに認識させるには先ず与野党が意見をひとつにして、強いメッセージを発し続けるのが国会の役目です。
 今、日本は政治の弱点が浮き彫りになっています。これは自民党政権が綿々と続けてきた政治のツケであり、その影響は直ぐに消し去ることはできません。だからといって、責任論を持ちだして自民党政権を批判しても何の解決にもつながりません。
 政治とカネの問題も決着しなければなりませんが、与野党がお互い揚げ足取りを続けていては日本の将来は憂うばかりです。経済を立て直すことが第1。野党の意見も聞きながら5兆円余の補正予算を景気対策のために地方議会の予算審議に間に合わせることも国会の責任です。
 今や経済、外交、安全保障は緊急事態にあります。北朝鮮の韓国砲撃も対岸の火事ではありません。筒先をいつ日本に向けられるかわからない時に、足の引っ張りあいを続けていては政治不信を拡大させるばかり。与野党一丸となって国難に立ち向かう時なのです。