闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.571
2010年11月15日

 

            新たな貿易自由化とは


 お隣、韓国で先進国に新興国を加えた20カ国G20の財務省中央銀行総裁会議とサミット(首脳会議)が開かれ、通貨安競争を避けるための共同声明が行われました。舞台を横浜に移しアメリカ、中国など太平洋を囲む21カ国・地域が経済問題を議論するAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の締めくくり閣僚会議と首脳会議を開催。構造改革の推進など成長戦略の横浜ビジョンが発表されました。
 この中でTPP(環太平洋経済連携協定)への日本の対応が注目され、これに対し政府は協議の開始を表明しましたが、参加は農業への影響など国の形を大きく変える問題であり、私は拙速な参加には慎重であるべきと思っています。

 

●TPP参加は慎重に

 農業問題については、例えば国内産のコメは778%の高関税によって守られています。TPPはこれらの関税に対し例外を認めずに完全撤廃し自由に貿易ができるようにしようとするものです。関税を撤廃すると消費者にとっては安いコメが食べられて一見良いように思われますが、これによって農業生産額は半減し、我が国の自給率は40%から14%に低下すると農水省は試算しています。食料安保の観点からは自給率アップの政策に反し、決して好ましことではありません。さらに日本の農業が衰退すれば水資源に変化をもたらし、洪水の危険や景観破壊など、多面的機能を損なう恐れもでてきます。ましてや農家の人たちは既に65歳の高齢化を迎えています。その中での急激な貿易の自由化は経営基盤を直撃し農家の生活を危うくしてしまいます。コメ農業は日本の大切な食文化であり、衰退させることはできません。先ずは遅れている農業政策への整備と支援が先に検討されなければなりません。
 自由化の範囲は農業だけでなく金融、保険への投資の自由化、そして医師、看護師、介護士などの人的交流を含め、包括的な枠組みにも及んでいます。これによって国民の生命・財産が脅かされることがあってはなりません。慎重な検討が必要で、その結果それぞれ交渉に入っていくべきです。その上でTPPに参加していく、このような手だてと経過が必要です。
 消費税増税が唐突に言われた参院選の時と同じように、今回のTPP参加も余りに拙速過ぎます。国会での議論も国民への説明もまったく無いまま、TPPへ参加すれば多くの混乱が生じることは必至です。

 

●守りから攻めの農業へ

 これからの農業・水産業は食品加工、流通販売にも業務展開する経営の多角化、いわゆる第6次産業として新たな成長が期待されています。民間シンクタンク(日本総研)によると日本は今、6兆2000億円の食料品を輸入しています。その反面、既に4000億円を超す食料品が輸出されていると言います。高いけれど安全で旨い日本のコメ、果物も高級品が近隣諸国に出回りはじめ、今までは輸入一辺倒だった食材を輸出に変えていく動きが見られています。容易ではありませんが、関税撤廃を逆転の発想ととらえ、国際競争に勝てる攻めの農産体制をつくりだすことです。
 今までは保護されてきた農業ですが、守りから攻めの考えは農業だけにとどまらず、外資を呼び込む質が高く強い産業をつくりだしていかなければなりません。元気な日本、そのためには官・民が一体となった貿易自由化への取り組みと政治の支援が今こそ必要になっているのです。

  

●国政報告会を開催

 厳しい経済状態が続く中、地元横浜の戸塚、泉、瀬谷3地区で中山よしかつ経済産業政務官、直嶋正行前経済産業大臣、原口一博前総務大臣をそれぞれ招き、国政報告会を開催しました。内政、外交とも大変な時期にあり衆参ねじれ国会の状況下、与野党を乗り越えて信頼される日本をつくりあげていかなければなりません。
 政権14ケ月、道半ばですが公約を実現に向けて努力を重ね、必ず国民の声に応えていくことをお約束させていただきました。