闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.570
2010年11月1日

 

              深まる税制改正論議



 行政刷新会議で特別会計に踏み込んだ事業仕分けの第3弾(前半)が行われました。税金のムダ遣いや役割を終えたものなどが仕分けの対象で、天下り先への資金の流れの解明につながり、自民党政権下では、まったく手がつけられてこなかったこと。民主党の政策であっても聖域なく、あらゆる角度から国民が納得できる徹底した事業仕分けを、今後も続けていく必要があります。

 国会では予算委員会が終盤を迎え、5兆1000億円の補正予算も閣議決定。第1弾の予備費、第2弾の今回の補正、そして第3弾の来年度予算案に向けての取り組みが着々と進んでいます。その中でも大切なのは景気、雇用対策に関連する税制の全体的な見直しです。民主党の税制改正プロジェクトチームでは租税特別措置・税負担軽減措置等にかかる重点要望を、そして経済産業部門会議でも税制改正に関連する重点要望が提出されて、国会では早朝8時から既に10回以上にわたる議論が重ねられているところです。 

 

●特例措置の役割

 税改正に関して大事なことは、日本企業が国際競争力を高めるための税制度をつくり挙げることであり、その中で特定の政策目的のために経済活動を活発化させる手段として税制上の特例措置がとられています。
 一方で政官業の癒着、時代の要請とのズレ、減免効果不透明との指摘もあります。歴史的使命を果たし終え、効果が薄いものは廃止や縮減すべきとし、通常国会で成立した祖特透明化法によって順次見直しが行われることになっています。しかし、経済成長、雇用増に寄与する特例措置は納税者の納得を得ながら適時適切な対応が必要で、減税する一方で増税とならないよう、注意していかなければならないと思います。 

 

●存続すべき特例措置

 日本の産業と国民生活を支える重要な基礎素材に、石油化学製品の製造に欠かせないナフサがあります。このナフサに対しては非課税の恒久的確保の要望がでています。
 揮発油税・石油石炭税は燃料課税であり、原料であるナフサは本来非課税であるべきもの。諸外国においても課税される例はなく、万が一にも課税されればコストアップにつながり、国際的競争力を著しく低下させてしまいます。特に価格転嫁しにくい中小零細企業にとっては死活問題となり、政府が進める雇用確保にも悪影響がでてしまいます。
 また、農林漁業用のA重油に対する石油石炭税の特例措置の延長問題があります。漁業については操業にあたっての必需品であり、果物野菜などを育てるハウス栽培も重油の必要性は避けられません。災害を防ぐために、そして食の安定供給確保の観点からも、農林漁業への特例措置は十分に考えていかなければなりません。 

  

●法人実効税率引下げ

 役割を果たし終えたとは言え、暮らしに直結するものまで安易に特例措置を廃止することは如何かと思います。牛肉売却に対する住民、所得、法人税等の特例措置が今回廃止されようとしていますが、これを生業とているのは殆どが中小零細企業です。
 肉用牛は3年くらい飼育しないと商品にはなりません。1頭を100万円で売る牛は元手の子牛で20万円ほど。これを3年間程度飼育すると、その間にかかる飼育費や労務費はどこからひねりだすのでしょうか、厳しい状況にあるのが現実です。特例措置廃止で課税されれば経営基盤が危うくなり、酪農業の弱体化、食料の自給率低下につながってしまいます。
 このように今、税制改正について議論を深めていますが、税制は成長戦略とあわせて元気な日本を復活させるのが大前提でなければなりません。必要以上に特例措置を廃止し増税路線を進めて経済を萎縮させるより、景気対策のもとで現在の大企業を含めた法人納税率20%程度を、幅広に40%程度にまで、すそ野を広げることです。
 企業の海外流出を防ぎ、雇用確保の観点から法人実効税率を主要国並に引き下げ、特に中小企業に対して中小軽減税率として11%まで税率を引き下げることを目標においています。