闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.557
2010年5月11日

 



 国会で、本会議や内閣委員会をはじめとする各委員会が開かれていることはご存知の通りです。その合間をぬって様々な研究会、勉強会が一日中おこなわれていますが、その中でも早朝8時から連日おこなわれている政策会議では、国民の暮らし、国の根幹にかかわる大事な基本政策が話し合われています。

 

●政策会議で「モノづくり」を語る

 5月は企業の決算が明らかになります。リーマンショック以来続いた景気の落ち込みに、一部の企業では回復の兆しを示す決算報告がだされていますが、市民の生活の場である商店街は、相変わらずのシャッター通りと化し厳しい状態を続けています。
 停滞を続ける日本経済。景気、雇用を回復させるには中長期的な視野の成長戦略が必要です。4月30日、経産省政策会議の成長戦略専門委員会で、私はかねてからの持論である中小企業とモノづくり産業の抱える問題点をとりあげ、日本の元気を取り戻すための政策提言をおこないました。
 

 

●モノづくりにおける 日本の優位性が喪失

 日本には高い技術力があるのに、それを十分に活かしきれていないのが実状です。物流の面でもハブ空港・港湾対策の遅れで中国、韓国に水をあけられています。景気回復の遅れを取り戻し、国際競争力を高めていくための施策が今こそ必要なのです。
 この点を踏まえ、専門委員会で私は国による中小企業とモノづくりへの支援策の強化が不可欠であると説明。新成長戦略の中にしっかりと位置付けるべきは、小泉構造改革で中小企業のモノづくりがアメリカ型のグローバルスタンダードによる金融市場中心の考え方によって大きな打撃を受けてしまったこと。中小企業が元気にならない限り、経済再生はあり得ないこと。失われた日本の活力が国際競争力、産業界の変容、モノづくりにおける日本の優位性喪失をもたらしてしまったことを指摘し、その対応策を提言しました。

 

●日本が立ち直るのは 環境・エネルギーへの挑戦

 将来、新しい高付加価値の製品をつくりだす分野としては、環境・エネルギー分野がもっとも重要になってきます(2009年12月に示された新成長戦略の基本方針では、2020年までの目標として、環境・エネルギー分野で新規市場50兆円超、新規雇用140万人とされている)。地球温暖化排出ガスの25%削減に経済界は消極的ですが、世界一を目指さなければ何にもなりません。厳しい条件をクリアしてこそ日本の産業が立ち直るきっかけとなり、絶好のチャンスにもつながっていくはずです。
 また、高齢化が進む中、医薬、医療機器、介護ロボットなどはニーズが高い分野です(2009年12月に示された新成長戦略の基本方針では、2020年までの目標として、健康(医療・介護)分野で新規市場約45兆円、新規雇用約280万人とされている)。健康産業の分野にも新しい市場ができ、今後伸び続ける可能性が大きいと期待されています。しっかりした戦略を立てていくことが重要で、また高所得者層、一般所得者層、低所得者層に分けた施策も考えられます。

 

●成長戦略にモノづくりと 中小企業の強化策を

 心配されるのは、長引く不況で中小企業メーカーがこれらの施策に対応できる体力を失いかけているのではということです。ベンチャーファンド、中小企業支援ファンドなど、政府と大手企業による官民一体となった中小企業とモノづくりへの支援策を原点から見直して、国が最大限バックアップできる新たな体制づくりと、その強化が日本の再生には不可欠なのです。
 また、モノづくりを支える中小企業の労働者が誇りをもって働ける環境を整備するためには、グローバル競争下における基盤技術の維持強化策として、高度技能を有するOB人材の海外流出を防止し国内の基盤技術強化に積極的に活用できる環境が必要です。併せて、我が国の技能検定や資格の国際標準化を目指す積極的な取組みも、グローバルビジネスの獲得に資するものと考えられます。
 一方、将来の競争力の源泉となる若手人材の育成のためには、産業界のニーズに即した実践的な教育訓練の充実強化が不可欠となります。このため、工業高校、高等専門学校、大学等の教育機関と産業界、国及び自治体等が連携を一層強化し、公的負担を拡充するなど一体となって職業訓練の充実・若手人材育成の取組みを推進することが必要だと思います。産業構造の変革への対応を支援するため、人材移動が不可避な状況において労働者が働き続けるためのセーフティネットの拡充も求められてきます。   我が国がモノづくりを基盤とした日本の原状を取り戻すための提言をおこなった政策会議でした。

  

●人材育成の充実強化と 移動可能な柔軟性が必要

 一方、将来の競争力の源泉となる若手人材の育成のためには、産業界のニーズに即した実践的な教育訓練の充実強化が不可欠となります。このため、工業高校、高等専門学校、大学等の教育機関と産業界、国及び自治体等が連携を一層強化し、公的負担を拡充するなど一体となって職業訓練の充実・若手人材育成の取組みを推進することが必要だと思います。産業構造の変革への対応を支援するため、人材移動が不可避な状況において労働者が働き続けるためのセーフティネットの拡充も求められてきます。
 我が国がモノづくりを基盤とした日本の原状を取り戻すための提言をおこなった政策会議でした。