闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.555
2010年4月14日

 

           

 国会は22年度の予算案が成立し、私が委員長を務める内閣委員会では国家公務員法改正案の審議が本格化し、9日の質疑では仙谷大臣の答弁に対し審議がたびたび中断し当初から大もめになりました。委員長は法案の審議はもとより議事の整理、委員の発言や取り消しなど強大な決済権限を持っています。このことを再認識し、これからも確固たる姿勢で滞りのない委員会運営に務めていきます。

 

●日本の元気を取り戻せ

「新成長戦略」のひとつに中小企業とモノづくり政策が挙げられます。中小企業が元気にならない限り経済再生はあり得ません。日本はバブル崩壊で新しい製品づくりの意欲が鈍り、企業は技術開発もせずに必要に応じてアメリカのベンチャーからノウハウを高額で求め、リスクを負ってまで将来を見越したモノづくりへの投資を怠ってきました。
 金融機関は貸し渋りを強め、選択と集中で儲かる分野にだけ資金を投じ、企業はその間の利益を内部留保にまわしM&Aで企業買収を進める。こんなマネーゲームが市場にはびこり、モノづくりを放棄したアメリカ型の経営がグローバルスタンダードとして小泉構造改革のモデルとなってしまったのです。
 日本経済を支えている98%以上の中小企業のモノづくりがアメリカ型のグローバルスタンダードによって大きな打撃を受けました。商店街が軒並みシャッター通りと化す姿に、日本の活力が失われ続けていることがわかります。国際競争力ランキングは2001年の3位から2008年には23位にまで落ち込んで、日本が衰退過程にあることを改めて認識しなければなりません。
 資源の乏しい日本は付加価値を高めてモノづくりの独自性を強めてきました。しかし、これを忘れ、グローバル化を強引に進めてきた結果が国際競争力を弱めることになってしまったのです。 

 

●優れた環境対応型の省エネ技術を活かせ

 日本の競争力低下は液晶テレビなどデジタル家電だけでなくトップに位置した半導体にも影響し、メモリの分野では台湾、韓国に、そして工作機械も中国、ドイツに抜かれてしまっています。
 コンピュータによるモノづくりのデジタル化が製品の設計、製造、組み立てを容易にし、品質より安さを求め、特許とともに海外へと流出してしまったのです。このとき以来、私は「日本独自の優れた技術とノウハウが海外に流出しない施策が必要だ」と提言してきました。残念ながら政府も産業界もデジタル化への対応に甘かったことは否めません。
 日本のメーカーにとって、部品を正確につくり、それを組み立てる熟練の技術、親会社、現場、下請企業との強い結びつきで他には真似のできない技術も、デジタル化の進歩によって優位性を失い、遅れをとる結果になってしまったのです。
 企業は当面の利益優先で非正社員を増やし、若い技術者を育てることを怠ったことで優れた技術者が育たず、技術開発の遅れが競争力低下につながっていきました。さらに、百年に1度の世界同時不況が競争力低下に追い討ちをかけてしまいました。しかし悲観的なことばかりではありません。日本には環境対応型の省エネ技術があるのです。

 

●太陽光発電パネル構想と安全な街づくり

 環境対応型の施策として、2〜3年を目処に大胆な先行投資で北海道から沖縄まで高速道路や鉄道の線路に沿って太陽光発電パネルを張りめぐらす「太陽光発電パネルハイウェイ構想」を提言しています。化石燃料の輸入に頼らず、安価な電力供給で環境問題、温暖化防止に貢献でき、技術革新によって中小企業のもとに、新たな産業も生まれてきます。
 また、安全対策を最重点にお年寄り、障がい者が安心して社会参加できる車椅子、ベビーカーの通れる歩道の整備を進めます。狭い道路に林立する電柱を共同溝で地下に埋設し、公共工事をハコモノから命を大切にする公共事業へと切り替えていきます。
 国際競争力を高める羽田空港の国際化と、横浜、川崎、東京港が一体となった港のハブ化構想も進めています。

 

●経済再生に不可欠な中小企業の元気 

 将来、新しい高付加価値製品をつくりだす分野に環境・エネルギーがあります。排出ガス25%削減に後ろ向きの経済界ですが厳しい条件をクリアして世界1をめざしていくことこそ日本が立ち直る切っ掛けとなります。また、医療、介護、観光産業もニーズが高い分野です。
 長引く不況で体力を失いかけている中小企業に対するベンチャーファンド、中小企業支援ファンドなどの官民一体となった中小企業とモノづくりへの支援策を今一度原点から見直して、国がバックアップできる体制づくりの強化が日本経済の再生には不可欠なのです。