国政リポートNo.542
官僚依存の補正予算、 ムダ削減で国の姿を変える
民主党の掲げた公約が政権交代によって動き始めました。野党の時と違い、与党となった今、私たちには政権政党としての責任があります。議員個人の考え方はあってもいいでしょう。しかし、党全体として国のことを考えていかなければならない立場にあります。このことを重く受けとめ国政にあたらなければなりません。
●責任政党としての自覚を 鳩山内閣が誕生して1カ月余りが経ち、内政、外交ともに順調なすべり出しとなっています。外交で総理は訪中、訪韓し、首脳会議で総理が掲げる東アジア共同体を将来の目標として3カ国が共有するなど、成果を上げての帰国となりました。また、内政については約束通り税金のムダ遣いを無くすことを前提として役人丸投げの官僚依存政治を改める動きを加速させています。
●補正予算のムダを削減 自民党が組んだムダが多い14兆7000億円余の補正は、本来ならすべてを執行停止にしなければならないところです。しかし、既に民間に発注されたもの、地方自治体で議決され実行に移されるものなどをストップさせるのは困難です。残された予算の中で総理の指示のもと担当閣僚がどれだけ削減できるか、目標の3兆円に向けて努力を続けています。
政府は全国143あるダム事業の見直しを発表しました。ダムには利水、治水の役目があり、特にダムの事業計画は30年も40年も前にできた長期計画が当たり前。造ることが目的化し現状と合わなくなったものが少なくありません。今ではペットボトルに入った飲み水用のミネラルウオーターが愛飲される時代。ビール、ジュースよりも高いのに、それでも年々消費量が増えています。八ツ場ダムについていえば飲み水など、当初の利水計画が2割弱も減っているのです。
ダム湖にたまる土砂も大量で、ダムがある限り維持・管理費は延々と続いていきます。また、ダムで水をせき止めなければ土砂は川を自然に流れて海まで達し、海岸の砂となります。その結果、岸辺の侵食を防ぎ、護岸用に置かれる波消しブロックも不用となり、景観を損なうようなこともありません。 日本は国土の7割が山林です。山林を放置してきたことで山としての機能は低下してしまいました。環境、災害対策上から山林の枝下ろしは欠かせません。山林が甦れば土中に浸透した雨水の保水能力を高めることができ、鉄砲水となって洪水を引き起こすこともなくなります。伐採した枝をバイオ燃料に使う。また手入れをすることで花粉症の被害を防ぐこともできるようになり、さらには山林整備に新たな雇用も生まれてきます。 ダム事業凍結は一時的に補償が生じても、長期にわたり予算を使い続けるより財政面で健全化していきます。官僚依存の予算編成を廃し、コンクリートの人口ダム構想から、緑の自然ダム構想へと、考え方を切り替えた予算編成が必要なのです。 |