闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.538
2009年8月10日

 

          実行力が問われるマニフェスト選挙


 衆院選が目の前に迫ってきました。選挙における政権公約(マニフェスト)は国民との約束であり、重く受けとめるもの。公約は4年間でその実績をチェックされなければなりません。4年前の小泉さんは、郵政民営化ですべてがバラ色、景気もよくなる、福祉の充実もはかれる、年金も子育ても大丈夫、大企業も中小企業も共に活力が生みだされ市場は活発になる。このようなことを言われ、期待感が膨らんだ人も多かったのではないでしょうか。しかし、自民党の公約に対しては厳しい判定を下さざるをえません。マニフェストには毎年総理が代わっていいなどとは書いていません。福祉も切り捨てられました。また、アメリカ発の金融危機は想像できなかったにしても、当初の甘い経済見通しと、対策遅れの政治責任は免れるものでもありません。
 税金のムダ遣いをなくし、天下り、特殊法人、公務員改革など、国の構造を変える大きな目標に向かっての取り組みは、まったくできていません。しがらみの多い自民党に日本の政治を変えるのは不可能です。自民党の官僚政治は政権交代によってのみ変えることができると思います。

●子育て・教育  

 人口が減少を続けば消費がのびません。結果として経済活動が縮小します。そうならないために国の担い手を増やす施策が必要です。子育て、教育支援を優先的に行う必要性を感じています。 

●年金・医療  

 景気がいいときは年金、医療、介護などの社会保障費に予算をまわしますが、逆に悪くなると一番最初にカットされてしまいます。また、宙に浮いた年金5000万件のうち2000万件が手付かずで、これも2年以内に解決するべきです。日本経済を支えてきた高齢者への差別、いじめにつながる後期高齢者医療制度は廃止し、年金の一元化を進め、何時でも何処でも安心の医療をめざし3ヶ月で病院を出されるような制度は改めるべきです。 

●地域主権 

 国と地方の役割分担を明確にし、地方の権限に見合う財源の確保が必要です。横浜のことは横浜でできるように、ひも付き補助金はなくし、使いやすい交付金として地方主権を確立していくことです。そうすれば、やがて地方の主権が大きくなり、道州制につながります。

●雇用・経済 

 今、失業者数は約360万人、横浜市民に匹敵する大変な数です。終身雇用制度は日本の文化でした。その中で職種や職能給など、仕事によって違いがありました。これがいつの間にか拡大解釈され、契約社員、派遣社員の制度ができ、今では労働人口の約3分の1を占めるようになってしまったのです。給料の大幅カット、派遣切りが日本経済の循環型社会を駄目にして消費にカネをまわらなくさせてしまいました。市場原理を掲げた小泉さん以来、雇用、経済政策は間違った方向に進んできてしまったのです。
 消費を活発にするために新たな雇用が必要です。食の安全、守りの農業から攻めの農業へ。エネルギー、太陽光を取り入れた環境型産業。コンクリートの建物やアスファルトから脱却し、地域にやさしく、子どもやお年寄り、障がい者の方にも安心・安全なバリアフリー(点字ブロックやベビーカー、車椅子の通りやすい歩道の整備。共同溝による電柱の地下化など)のインフラ整備。また高齢社会を迎えて、医療・介護分野にも新たな雇用が期待できるようになります。
 財源、権限、政策は自民党が握っています。このために自民の官僚丸投げ、税金のムダ遣いが横行しているのです。ムダの排除と共に一般会計、特別会計の使われ方を直さなければ駄目だと思います。




●核廃絶・拉致解決・平和外交を 

 64年前の8月6日に広島、9日には長崎に原爆が投下され合わせて40万人以上の尊い命が奪われました。このときの被爆者認定をめぐっては国との間で妥結点が見いだせない中、ようやく原爆症の集団訴訟の終結に向け大きな進展がみられることになりました。そもそもの認定基準は単に判定の目安を決めたもので、爆心からの距離、残留放射線など、個々人の状況を十分に検討したものではありません。認定制度は多くの課題が残り、被爆実態を反映したものでないのが現実です。被爆者救済が終らないうちは戦争が終ったとは言えません。真の終戦を迎えるためにも、新たな認定制度を考えてもいいのではないでしょうか。
 戦争が残した傷跡は深く簡単には癒えるものではありません。日本は唯一の被爆国として国連を中心に核廃絶と平和外交を世界に発信できる数少ない国です。
 今、北朝鮮は平和を覆すような核開発、ミサイルの実戦配備を行っています。北朝鮮への厳しい対応は日本だけでなく、中国、ロシアも含め、すべての国が歩調を合わせていかなければ改まりません。アジアの平和と安定は生まれてこないのです。
 2人の米国人女性記者の解放に元アメリカ大統領が電撃的な訪朝を行いました。数年前は、日本にもあれほど国民運動的に巻き起こった拉致解決への高まりがあったのに、政府には今回の元大統領訪朝のような北朝鮮への外交努力を続けているようには感じられません。
 拉致被害者家族は高齢になっています。問題解決には厳しい面もありますが、努力を絶やさずに解決へと急がなければなりません。今度の選挙で政権が代わったら、「核廃絶、拉致解決、平和外交」を中心課題として、マニフェストにシッカリと位置づけることが必要だと、私は思っています。