闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.536
2009年7月13日

 


 色々な理由をつけて衆院選を先延ばし。重要法案の成立が先だと言って、この間、信を問わない政権が政治空白を生じさせてきたことは間違いありません。都議選で民主党が第1党となり、今度こそ本当に国民が審判を下す衆議院選が迫ってきています。



             「景気も外交も信頼が不可欠」




●景気の底打ち判断は早計

  最近は政局だけが優先し、政策があまり触れられていないように思います。景気も底打ちし、良くなると発表されていますが、それは大企業だけ。中小零細企業に至っては厳しい状況に変わりありません。仕事の受注量は半分たらず、GDPを支える個人消費も可処分所得が3割程度落ちてマイナスになっています。所得の落ち込みで住宅ローンの支払いが滞り、5月には競売が1万6500件にのぼってしまいました。ボーナス時期の6、7月は10万件に迫るのではと心配です。上期だけでも企業の売り上げ損は4兆円に達するとも言われ、倒産件数も昨年比4割増となってしまいました。失業率も5月時点で5・2%と、景気は底打ちどころか最悪な状態が続いています。
 政府の「景気底打ち」は省エネ家電のエコポイントやエコカーの買替え促進が好調であることを理由に挙げていますが、楽観的すぎます。期待先行で実体経済の回復テンポが遅く、景気が追いついていないのが本当のところ。雇用環境に至っては0・4倍と厳しく、10人に4人しか求人がない状態では景気の底打ちどころでないことは明らかです。すべてが選挙目当てのメッセージ。消費低迷で物価の下落が続き、デフレ傾向が鮮明になってきたのも心配です。
 昨年、サブプライム問題とリーマン・ショックでアメリカの金融危機が表面化したとき、日本政府は「対岸の火事」とか「蚊に刺されたようなもの」と受けとめて危機対応が遅れました。日本経済に影響が及んでくると、慌てふためいて「政局より政策」と言いながら、思い切った対策を打たずに結局この間、政局絡みでズルズルと無駄な時間を過ごしてしまったのです。
 景気回復には国民の信を得た内閣の元で、しっかりした経済政策を立てていかなければ、本当の景気回復は期待できるものではありません。

 

●国家の損失を知るべき

 先週、イタリアでサミットが開催されました。ここで麻生総理の顔がどこにも見えてきませんでした。世界経済、地球温暖化、食料、平和問題など、日本の立場を主張すべき点はたくさんあったはず。中国の胡錦濤国家主席はウイグル自治区の騒乱で途中帰国したとは言え、新興国としてしっかりと存在感を示しています。それはトップに確かな指導力があるからです。
 GDPでも、中国は来年、日本を抜いて世界第2位になろうとする勢いです。反対に今の麻生総理には指導力がまったくなく、危機意識も感じられません。各国首脳から、弱体化した自民党政権の足下を見透かされていては信頼の低下は否めません。これで世界の国々と対等な立場でいられるでしょうか。オバマ大統領とのワーキングディナー、メドべージェフ大統領との日露首脳会議は低調で、他の主要国との首脳会談も実現できず、また一部はサミットの議論がすべて終った後で行われたりと、評価できるものになっていません。
 今回のサミットに自信満々で乗り込んだ麻生総理ですが、3年連続で出席する首脳が代わっていたのは日本だけ。各国との交渉が上手くいくわけもなく、さめた目で見られても当然。これでは日本の信頼もガタ落ちです。このような状態が続くことが、経済においても外交においても、国家の損失につながっていることを賢い国民は既にわかっています。外国との交渉を進める上で、国際舞台では国民の信頼に裏打ちされた政権の存在が不可欠なのです。

 

●景気回復に100万人の雇用

 日本経済にとって、食料、地球温暖化、クリーンエネルギー、安全保障などをすべてリンクさせ、一体となった総合政策が必要だと思います。39%の食糧自給率を70%まで押し上げる。守り(輸入)の農業から攻め(輸出)の農業に転じていくことを、私は提言しています。
 自動車や電気製品の輸出によって今日の日本経済が支えられてきました。かつて日本はより良いものをより安くをモットーに苦労を重ね、世界シェアを広めたのです。今のように弱肉強食の社会でなく、共に栄える共生の中での競争は必要です。これからの農業も、この考えに沿って新たな道を築いていくことによって、農業、林業を合わせて50万人の雇用創出が期待できます。
 石炭、石油の化石燃料に依存する日本はエネルギーに不安があり、産油国の動向に左右され、その結果、原材料の高騰を招いています。国のエネルギー確保を図るために北海道から沖縄まで、高速道路に沿って太陽光パネルを敷設する「ハイウェイ構想」を提案、ここに30万人の雇用を考えています。安全な街づくりのために歩道の整備、電柱の地下化で人に優しい公共事業を進める、ここにも20万人の雇用が期待できます。共に生きる社会をつくり、発想の転換によって100万人の新たな雇用を生みだしていくことが可能で景気回復につながると考えています。