闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.533
2009年6月1日

 

            国の方向示す明確な政策を


 久しぶりに行われた党首討論。さまざまな議論が展開され、経済対策については鳩山代表の問いに麻生総理の口から現在の経済状況や国民の暮らしについて、厳しさの認識をうかがい知ることはできませんでした。今後は争点を明確に絞り、政策議論を深めて、国民が納得できる党首討論になるよう望んでいます。

 

●「道路より命を大切」の政策

 日本の基幹産業、自動車、電気は赤字決算となり生産が3割から4割減産されています。その結果、正規社員の賃金は2割カット、ボーナスも3割カットと厳しさが増し、さらにリストラに到っては正社員にまで及んで歯止めが掛からない状態です。
 4月の有効求人倍率が最悪の0・46倍、完全失業率も5%と悪化してしまいました。この状況を総理は認識しているのでしょうか。まして、下請け孫請けの中小零細企業の仕事は逆に3割しかないなど激減しています。これらの経営者は給料もなく、自らの貯えを持ちだして一日でも早く景気が良くなることを願いながら仕事を続けています。ファミリー企業の商店も商売を縮小したり、やむなく閉店に追い込まれる状況が続出しています。机上プランが先行の官僚主導政治では現場の実態は見えません。そこに丸投げしている自民党政治では実態社会とに隔たりが生じてくるのも至極当然の成りゆきです。
 鳩山代表は強いものだけが生き残る社会ではなく、共に栄える友愛の精神で国民の暮らしを最重点に置いた政治を行っていきたい。今は道路より命が大切。年金、医療、介護を中心に取り組んでいきたいとの主旨をハッキリと示しています。これがまさしく国民の待ち望んでいる政策です。

 

●バラマキより減税で消費を 

 例えば今回、当初予算から削られている母子家庭への給付金。この母子加算で必要な予算は年間約200億円。受給世帯は約10万世帯と言われています。廃止前の04年には母1人子1人のモデル世帯で加算額はひと月2万3260円。この生活保護費が05年度から段階的に削られて、今年4月からは全廃になりました。国はこれに代わる支援を行なっていると言っていますが、母子家庭が大変な貧困状態で苦しんでいるとき、手当を剥してしまうようなやり方は決していいわけがありません。1人親の就業環境が非常に厳しいときこそ、母子加算をもとに戻す政策を考えてほしいのです。それが友愛政治なのです。
 GDPの6割は消費活動であり、これが日本経済を支えています。ところが家庭の生活環境は厳しくなり、お年寄りのみなさんも後期高齢者医療制度など将来が不安でおカネを使えません。そのために、結果として経済はよくならないのです。まさに政策不況の状態に陥ってしまっています。
 本予算、補正を合わせておよそ100兆円が計上されました。税収は約45兆円しかないのに、55兆円の赤字国債で賄うと言うのです。このようなことは今まで一度もなかったこと。まして、バラマキ補正が本格的な景気回復につながるとは考えられません。バラマキをするなら、例えば所得税、法人税で10兆円規模の大幅減税策を執る方が景気浮揚には有効的と思います。

  

● 農業、環境政策で国興し 

 かつて、日本の交通事故死は1万人となり、全国あげて撲滅にかかりました。しかし今、自殺者は昨年1年間だけでもこれよりも遥かに多い3万2294人となって11年連続3万人を超えています。その3分の1が企業経営者を含め、何らかの経済苦によるものと言われています。優秀な人材を失い、経営者という貴重な社会資本を消滅させることは、どれだけ日本経済にとってマイナスか。このことを考えて経済対策を講じていかなければ、日本の将来は底なし状態に陥ってしまいます。
 子や孫たちに安心して暮らせる世の中をつくることが政治の大きな目標であり役目です。そのような中、食の問題を考えたとき、日本の食糧自給率は今や39%まで落ち込み、輸入が60%を占めています。この状態で食の安全が確保できるか不安でいっぱいです。後継者問題や戸別の所得補償など、抜本的な農業の見直しを行いながら安心して農業に従事し、食糧を確保していかなければなりません。今までのように守りの輸入農業から攻めの農業に転じることが大切になっています。果物、肉、コメなど、国産品すべては安全・安心・美味の評価を受けるほど。この特色を伸ばし自然との関わりが大切な農業を盛んにしていくことは、食の安全問題にとどまらず地球温暖化対策にも寄与していくはずです。
 日本にとって、モノづくりの大切さは工業製品だけに限りません。モノづくりの原点は農業です。食糧問題と自然環境問題をリンクして幅広い対策を打ち出していけば日本経済の発展につながり、そこから雇用も生まれます。新たに誕生した消費者庁、そして農林水産省の役割は、今後重要になってくると思っています。