闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.526
2009年2月23日

 

「混迷の麻生政権からの脱出
       国家レベルの新産業育成で日本を救え」




●国を挙げての景気対策が必要

 迷走を続ける政府・与党。麻生総理が衆院選を先延ばしするばかりに景気対策の遅れが深刻化し、このために日本経済は悪化の一途をたどっています。企業倒産、失業者への対応も十分にとられていません。
 日本とは逆にアメリカは景気対策に素早い対応をみせています。住宅ローンの不良債権に対して900万世帯を救済する住宅対策を発表しました。そして既に72兆円の景気対策を上・下院で一本化しています。また、ブッシュ政権ではとらなかった環境分野への重点投資「グリーン・ニューディール」を積極的に進めています。アメリカの素早い対応と比べ日本の政治決断が遅れるのは石橋を叩いても渡らない官僚依存政治にあります。
 景気回復には内需拡大が不可欠です。しかし日本はアメリカのように大型の減税策も打ちださず内需を喚起する資金が国民にまで渡っていません。景気の悪化は個人消費の落ち込みが戦後最大となったことでも明らかです。アメリカでは72兆円の3分の1を減税に充てようとするなど消費活動に効果的な配慮がとられています。日本は2兆円の定額給付金すら未だに結論がだせず、これが空理空論といわれる所以です。結果的に景気対策の先送りとなり、国民の暮らしがどうなっていくのかを考えれば、おのずと必要な対策はわかってくるはずです。
 百年に一度といわれる緊迫した経済状況下、内閣府はGDP(国内総生産)が年率換算で12・7%減となったと発表しました。第1次石油危機で「狂乱物価」といわれた94年以来戦後2番目の記録といいます。日本のGDPが約500兆円とすると、単純計算で年間60兆円以上が落ち込むことになります。サブプライムとリーマンショックで世界同時株安、金融不安を招いた震源地のアメリカですらマイナス3・8%、イギリスも何とか5・9%に踏みとどまっています。ヨーロッパのユーロ圏でもマイナス6%程度の中で日本だけが激しく落ち込んで、日本経済が輸出頼みであることを如実に示す結果となりました。

 

●新エネルギー産業の育成を

 モノづくりを基本に内需拡大の必要性がいわれていたにもかかわらず、安易に外需に頼りすぎ、新たな産業の育成が放置されてきたことは間違いありません。基幹産業の自動車、電気、鉄鋼そして造船などの輸出依存の中で、私は以前から資源の乏しい日本にとって新エネルギー政策が新たな産業の柱になるべきと問題提起してきました。
 景気の落ち込んだときにこそ、思い切った政策の転換が必要です。地球環境、温暖化に合わせて化石燃料の石油から新たなエネルギーとして水素ガスや太陽光、風力、バイオマスなど、クリーンエネルギー政策に力を注ぎ、世界に先がけた新産業づくりを国家レベルで起こすことです。民間では既に新エネルギーを取り入れた新産業への取り組みが始まっています。
 私は京都議定書によるCO2の削減目標の達成と合わせ、新産業の構築を主張してきました。この間、政府による新エネルギー技術を特化させることへの立ち遅れはなかったでしょうか。輸出が好調なあまり、新技術への後押しが疎かになってはいなかったでしょうか。輸出の好調に安閑としていたこと、新技術を駆使したモノづくり政策を後回しにしてきたことがサブプライムの震源地でもない日本のGDPを世界で最悪な状態にまで落ち込ませてしまったと思います。新エネルギー対策への動きを活発化し、国として積極的に支援していくことです。

 

●内需・外需のバランスが大事  

 新エネルギー政策と併せて優れた独自の技術に、国が高い評価を与えてきたでしょうか。企業は満足な評価が得られないために結果的には技術、特許、おカネまで持って、安価な工賃を求めて中国、東南アジアに生産拠点を移してしまったところに問題があります。昨今、企業のリターン現象が見られるようになりましたが、国内でつくり国内で消費するのは、食の安全についても「地産地消」がいわれるくらい大切なのです。
 グローバル経済の考えは日本には向かない面がありました。アメリカのように大企業のもとに大資源を持っているのと違い、日本には資源がありません。その代わり、98%以上の中小零細企業が下支えしているのが日本経済の構図であり力強さです。この中で素晴らしい技術が継承されてきました。マネーゲームに頼る市場原理主義が日本経済を席巻してきたことで、モノづくりの大切さを忘れてきた面があったことは否定できません。財源は一つより二つの方がいい、内需喚起とともに外需とのバランスがとれた政策の必要性が問われていると思います。