闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.525
2009年2月9日

 

「景気回復にはまず雇用の安定を」


●強いリーダーシップを示せ

 サブプライムローンの焦げつきに端を発し、リーマン・ブラザーズの破たんによる金融危機は世界経済に深刻な影響を与えています。原因の発端であるアメリカは、この状況を厳しく受け止めて素早い対応をみせ、米下院では8000億ドル超(約74兆円)の景気対策を1月末に可決し、上院でも承認の見通しがたっています。その対策の40%以上を減税に充てるといいます。これに比べ、残念ながら日本の総理にはスピード感も思い切った決断力も感じられません。
 ビッグ3(米自動車大手3社)の公的資金導入については、今までの役員報酬は高すぎると、報酬の上限や配当の制限を設け、さらにリーマン・ブラザーズをはじめとする経済破たんの原因をつくった経営者の責任も明確にし、報酬を返還させるなどオバマ大統領は強い指導力をみせています。貧富の差が激しいアメリカ自身が格差是正を打ちだしたことは、大統領にとって当然のこと。米国議会も、そして米国民の多くも大統領の変革に戸惑いはあるものの、素早い対応には高い評価を与えています。
 日本経済を再生するにはオバマ大統領のような政治的リーダーシップをとることです。そして力強い日本をめざし内需喚起の思い切った政策を打ちだすことが必要です。そのためにはまず雇用の安定です。そして大幅減税、それに併せて年金、医療、介護を中心に社会保障の見直しによって、より安心安定な社会を国民の暮らしの中に位置づけていくことです。政策のブレが甚だしい今の麻生政権では残念ながら望めません。

 

●雇用が消費を拡大する

 今や日本は大企業ばかりか中小企業までが大リストラの嵐に晒されて、解雇は正社員にまで及んでいます。バブル崩壊後、特に小泉改革からは強いものだけが生き残るアメリカ型の新自由主義が働き方を大きく変えてきました。市場原理主義がもてはやされるなかで、労働者を企業経営の調整弁とするようになってきてしまったのです。
 日本型の終身雇用にはさまざまな意見があります。しかし今回の金融危機のような社会的要因によって不測の事態が生じたとき、景気の悪化を理由にいとも簡単に解雇することが許されていいのでしょうか。企業努力もせず、安易に解雇を企業存続の調整弁に使うようなことがあれば、人材育成の観点からも企業だけでなく将来的には国の損失につながっていきます。企業経営者はもっと雇用への意識をしっかり持たなくてはいけないのです。そして国は雇用対策に何ができるかを示して欲しいのです。
 GDPの6割が個人消費で支えられています。安定的な雇用は個人消費を拡大させる大前提です。雇用が安定すれば消費が活発になり景気は回復していきます。雇用への取り組みは景気対策の上で最重点課題であることを忘れてはならないのです。民主党では2兆円の定額給付金を有効に使うため雇用対策に充てるなど、肝心なところに手厚い血の通った対案を示しています。

 

●国のかたちを見直すとき  

 日本の21世紀をどのような国にしていくか、厳しいときにこそあらゆることを見直す好機にすべきです。国家の基本はモノづくりです。その技術や伝統を今後どのように立て直していくか。また農林水産業を中心とした本来の第一次産業を見捨て、第二、第三次産業へと依存する政策を執ってきた政治のあり方も見直していくべきです。
 林業は新しいエネルギーに対するバイオの構築につながり、あるいは自然災害や海岸の侵食防止にもつながります。地球温暖化防止に貢献できる取り組みを国策として行っていくことが大切です。農業への積極的な取り組みは食糧自給率アップと食の安全を確保する一石二鳥の効果が期待できます。そして、失職している人たちの新たな仕事として100万人の雇用をこの分野に求めていくことも可能なのです。
 また、日本の政治を混迷させた原因は縦割り行政の弊害と官僚に依存し続けた自民党政治にあります。官僚支配の政治には未だ官尊民卑の考え方も根底にあります。役人の天下りあっ旋、そして渡りを組織ぐるみでおこなって3億円以上の退職金を手にする。あるいは官民人材交流センターを設けて役人を特別扱いする。官僚の天下りを目的に存続させてきたような、時代に合わない特殊、公益法人は行政のかたちを歪めてきてしまったのです。官僚主導の硬直化した国のかたちを変えていくことは、長く続いた自民党政権下では無理なのです。
 先ず税金のムダ遣いを徹底的になくして財政の健全化を図る。暮らしを守る、職場を守る、街を守る、こんな改革を実現するためには迷走を続ける麻生政権を一日も早く交代させることです。先送りばかりの政策に別れを告げることが国のかたちを変え、日本を再生させる確かな道なのです。