闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.524
2009年1月26日

 

「ニューリーダーに見習え 」

理念を示したオバマ大統領、日本の宰相も理念を示せ

 20日、アメリカでは民主党オバマ政権が誕生しました。国民の期待と信頼が氷点下の中、ワシントンの就任式会場に250万人の熱狂となって表れました。オバマ新大統領のメッセージからはリンカーンのことば「人民による人民のための政治」を強く意識したものに感じました。中でも人種差別の国であったアメリカが、あらゆる人種、宗教にかかわらず「ひとつのアメリカ」を強調し、繁栄と自由を掲げたことがオバマ新大統領への信頼につながっていったと思います。
 アメリカは、ビッグ3(米自動車大手3社)のGM会長が年俸1440万ドル(13億円以上)を得る一方、貧しい生活を強いられる国民が多く、貧富の差が激しい国です。だからこそ新大統領は中流社会をめざして国民の求めに応えようとしているのです。アメリカの政治は国民参加であると同時に個人への責任も重く課せられます。そして行政が補完するものをハッキリ示すなど、政府の役割が明確になっていることも強く感じました。
 新大統領は大胆で迅速な行動の必要性を強く訴えました。多くの政策の中で、特に人権侵害で問題視されているグアンタナモ基地内のテロ容疑者収容施設の閉鎖を加速させ、またイラクから16ヶ月以内に米軍を撤退させる、そして総額74兆円超の景気対策、400万人の雇用創出など、より現実的な政策を次々と打ち出しています。
 アメリカの民主主義戦略は金融や経済、雇用対策、さらには外交、安全保障など、自国のみならず世界中の期待に応えようと既に動き始めています。この動きを目の当たりにして、アメリカの民主主義とは力強いものだと実感させられました。

 

●間違った官僚政策は改めよ

 一方、日本では昨年10月に決めた2兆円の定額給付金が未だ景気対策なのか生活救済なのか結論もだせずに迷走を続けています。国民の8割がバラマキと批判的で、もっと役に立つ使い方を望んでいます。大阪知事など、給付を辞退した人の分は学校の耐震強化などに回したいと効果的な使途を述べているくらいです。評判が悪いなら潔く撤回すべきです。意志決定の欠如、政策決定にスピード感がまったく感じられません。
 政府は3年後の2011年に消費税率を上げることを明らかにしました。当初は実施時期を法律の付則に明記することを決めていましたが、身内の与党内からの反発でウヤムヤな中での決着となりました。曖昧にするのは日本の政治で最も悪いところ。今の危機状態で、消費税アップは論じるべきではありません。増税よりも、すぐにやらなければならないのが景気対策です。
 例えば人材不足が指摘される介護分野もそのひとつ。政府は介護職員の待遇改善と人材確保をめざし介護報酬の3%アップを示しました。ところが深刻な人手不足は元々の給与水準の低さと過去2回のマイナス改定が影響しているのです。そして今回のアップも職員給与に反映させることが条件となっていて、現場からは「今までの赤字分の穴埋めでいっぱい。ヘルパーの給与を上げるのは無理」との声が聞かれるように、追加の景気対策にはほど遠く、現場を理解しない官僚が数字合わせだけでつくりだしたものなのです。後期高齢者医療制度も、3月で打ち切られる母子加算も、政策の多くは現実に即したものになっていないのです。
 また、税金のムダ遣いをなくすことも大切です。役人の天下り先、特殊法人などに流れる年間12兆6000億円のムダは徹底的にやめさせることです。ところが「渡り、天下りの禁止」を公務員改革で決めておきながら実際は骨抜きにされています。これなどは保身にまわる官僚に支配され続ける自民党政治の最たるものなのです。 

 

 

●日本再生に勇気ある決断を  

 国民の強い意思決定によるアメリカ政治と、官僚支配による日本政治との違いが如実に表れた大統領選。私たちが今やらなければいけないことは、日本の政治をどうするかです。世界中で始まっているチェンジ(政権交代)の流れを受けて、日本の政治も乗り遅れることなく日本再生の道筋をたてていくことが求められています。また国民自身も子や孫たちの将来、そして高齢社会における日本のあり方を真剣に考え、このままの政治でいいのか判断を下す大事なときです。9月までに衆議院選が行われます。郵政解散以来、民意不在の総理が3人も続き、その結果日本は迷走を続けています。今年はアメリカ同様、ニューリーダー(総理)を選ぶことができる年。力強い日本に生まれ変わるために、1度私たちに政権を任せてみてください、そして駄目なら代えればいい。「アメリカが変わるように日本も変えたい」有権者の勇気ある決断に期待しています。