闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

首都高速横羽線料金値上げに関する質問主意書
(平成14年5月20日提出)

 今回の首都高速道路料金の値上げについては、現下の社会情勢を考えて不適当と思われる。値上げの実施を即刻中止すべきである。値上げの中止は道路利用者に無用な混乱を招かないためにも緊急を要するものである。従って、次の現状をかんがみ、今、値上げが妥当であるものなのか、質問する。

 現在、三ツ沢から羽田までの通行料金は500円である。公団はこれを600円に値上げしようとしている。
首都高ではこれら料金を徴収する料金所が原因となり渋滞を引き起こしている。このことは周知の事実である。料金所の混雑解消のためのETC導入を図っているが、高価な車載器や使い勝手が悪いゲートシステムは有効に機能していない。むしろ、中途半端な導入が日々混雑を引き起こす原因となっている。この交通渋滞は横羽線の料金所だけの問題ではない。これら、交通渋滞の抜本的な改善策も取ろうとせず、値上げだけを先行させようとすることは納得のできるものではない。このような事情を踏まえ、今回の公団が行う累積債務の増加抑制策としての値上げには疑問を持たざるを得ない。

 1993年には1日15万台であった首都高横羽線の通行量が2000年には13万台と2万台減となっている。これはバイパスの役割を果たす湾岸線ができたからばかりではなく、長引く景気の低迷でトラック等の輸送手段がコスト削減のために通行料金の節約を図って、首都高に平行して走る国道1号線に流れ込んでいるためである。その証左に国道一号線の金港町付近では1993年に4万台であった通行量が2000年には6万台に増加している。一般道の交通渋滞は時間・経済ロスは勿論、交通事故の多発化、騒音、環境汚染等、社会生活に重大な影響を及ぼしている。

 通行料金の値上げは一時的な対処療法に過ぎず、中・長期的に見て決して根本的な解決策にはつながらない。民間企業は経費の削減で商品価格を下げ、売上げを伸ばして収益率を高めている。例えばBSEの影響で死活問題にまで陥ったマクドナルド、吉野家では商品単価の値下げで客足を呼び戻し、収益性は低くても販売数量の増加でマイナス面を補い、却って高い利益をあげている。このような、民間活力の導入手法を見習うべきである。

 首都公団は、本来なら無駄なコストを削減しながら収益を高め、利用者に使い勝手の良い最大のサービスを提供していくことを目指すべきである。このことを考えると、公団には公共の役割を担う基本的精神が失われてしまっている。今こそ消費マインドを高めて、景気回復の呼び水となるような効率的な交通環境をつくりだすことを真剣に考えるべきである。「足りなくなれば国民から召し上げる」、官僚的考えは時代の流れに逆行するもので、公団の運営姿勢には苦言を呈さざるを得ない。

 現下の厳しい経済状況下において、民間企業では従業員のリストラを始めとし、血の出る思いの改革に取り組んでいる。消費者、利用者の立場から考えると、この中での料金改定は適当とは思われない。むしろ値下げをして利用率を高めていく発想こそが必要である。
 値上げは無駄を省くために国が進める特殊法人改革のあり方にも逆行する。国民の総意と国の政策に反することには、絶対に反対である旨の意見を申し述べるとともに、今、なぜ値上げをする必要があるのか。

 

 以上、質問する。