エネルギー政策と地球温暖化対策の実効性に関する質問主意書 京都議定書の承認を受けて、日本は90年比で温室効果ガスの6%削減が義務づけられることになった。しかし、日本の排出量は90年よりも7%ほど増えている。政府は産業部門、交通部門、市民生活部門と分野別にそれぞれ削減達成目標計画を定めているが、国会での審議も十分とは言えない。米国、ロシアの不参加に対する外交努力と国際交渉に関する決議もなく採択した。
1.クリーンエネルギーについて 温室効果ガス削減の柱に10年で原子力発電所13基の推進計画が据えられている。しかし今までの経緯からして建設には約20年が必要である。むしろ近年は社会事情等により、1基すらできないのが現実である。原発の建設について、政府は10年で13基が可能との報告を提出しているが、社会情勢とくに住民の反対などに加えて、巨額な投資が必要となり13基もの大量増設は不可能で、これから先の見通しは大変困難な状態である。天然ガスを使用した火力発電所を造るにも10年かかる。このことを考えても、原発13基は具体性に乏しい計画ではないのか。
2.代替エネルギーについて 代替エネルギーとして新エネルギーである自然エネルギー、すなわち太陽、風力、そしてバイオマスなどが挙げられるが、現段階においてこれらがエネルギー供給源として原発や火力発電に匹敵する能力を引き出せるとは思えない。これらの状況からかんがみて、08年から12年にかけての6%削減の目標は単なる目標値に終るのではないか。新エネルギーがどの程度寄与すると考えているのか。
3.民生部門への情報公開について 省エネルギー政策の国民への意識の徹底に当たっては、情報の伝達が欠かせない。この点についての具体性が示されているとは言いがたい。今のままでは民生部門での削減はそれほど期待できるものとは考えられない。今後、どのような措置を講じていくのか。
4.排出権買い取り、森林吸収について 目標が達成できなければ排出権の買い取りとなる。これは国民の税金である。結局は国民に負担をつけ回すことになる。かつて、日本はエコノミックアニマルと言われた。今回も排出権の買い取りで数字合わせをしようとしているのではないか。
以上、質問する。 |