闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

2006年6月9日(金)戸塚・法人会館にて、岡田克也元民主党代表を招き、国政についてのお話をいただきました。岡田氏との対談のあと、会場にお越しいただいた皆さんからの質問コーナーを設け、闊達な意見交換がなされました。

岡田克也元民主党代表、田中慶秋と語る会・1ページ

(岡田克也元民主党代表)
 前回の総選挙において、みなさまには田中議員に対して大変なご支援をいただきながら、これは本当に田中さん自身がどれだけ努力をしても超えられない構図の中で、11万を超える得票をされながらも、残念ながら議席を失うことになりました。田中さんが永田町から一旦いなくなってしまうということは想像もしていなかったということで、本当に当時の代表として、申し訳ないことであると思っています。
 田中眞紀子さんとともに戸塚に参りましたときにも、多くの方に話を聞いていただきましたし、多分田中慶秋さんも同じ印象を持っていらっしゃると思うのですが、戦っていて感触は悪くなかった。とくに握手はすごく熱狂的であったと記憶している。
 私も前回の参議院選挙を代表として、その前の総選挙を幹事長として経験しておりますが、その経験からも今回の選挙は一部で盛り上がっているという感じはしましたが、見えないところでそれ以上の、今まで投票に行かなかった人たちが投票に行くことで投票率が上がり、とくに都市部では民主党が厳しいことになりました。
 私が子どもの頃、私の父親がこういっていたのを思い出しました。
   「絶対的有利は絶対的不利に通ずる」
   「絶対的不利は絶対的有利に通ずる」
 私は、この前の選挙で郵政民営化法案を追い込むという、ある意味では民主党として完璧なところまでいって、そして党の中も大いに盛り上がり、しかし、それがふたを開けてみたら全く逆に出たわけで、子どものころから聞かされたことが今回現実となったという気がします。
 しかし、我々には政治を変えるという使命があります。あの時も申し上げましたが小泉さんの5年間、いったいどうだったのか。色々スローガンがありましたが、本当に国民の立場に立ってこの国を変えてきたかというとそうではないと思います。本当に政治を変えるのであれば、政権を代えなければできないことから、そこのところで民主党を作った意味があり、そして民主党所属議員、政治家一人一人の使命があると考えています。そのために、何とかして、次の選挙に向かってがんばらなくてはいけませんし、もちろん田中先生にも早く戻ってきてもらいたいと考えています。
 さて、まず党内の雰囲気を少しご報告しておきたいと思います。メール事件もあって、若い前原代表、大変がんばったのでありますが、残念ながら自ら辞任をされました。そしてその後、菅さんと小沢さんが選挙をして、そして小沢さんが代表に選ばれたわけであります。私は選挙をしたことが非常に良かったと思いますし、今、党の中が非常に良い雰囲気となっていると感じています。かつてないというと、少し言いすぎかとは思いますが、党の中のまとまりはかつてないものです。以前の民主党では執行部が何かやろうとすると異論が出たりしたが、今ではこのような状況がまったくなく、小沢代表を筆頭にみんなが力を合わせてがんばっていこうという、がんばっていかなければいけないという雰囲気に党の中は満ち満ちております。補選で勝ったことも非常に大きかったと思います。
 そういう中で、来年春の統一地方選挙、そして何より、参議院選挙で与野党逆転をする。幸い2年前のあの参議院選挙では、神奈川2議席を皆さまの力で取っていただきましたし、全国的にも自民党を上回る議席を得ているわけでありますから、今回しっかりとがんばることで与野党逆転は十分に起こりうると考えております。与野党逆転すれば、もちろん法案は衆議院で3分の2以上与党がもっていますから、参議院で否決しても衆議院に戻り、法案は成立します。しかし、いちいちそんなことをしなければ、物事が進まないということになれば、やはり、解散、総選挙も近いというふうに考えなければいけないと思いますし、そこで本当に力を合わせて政権を代えていくという、そういったシナリオにもとづいて、一人一人が、今しっかりがんばらなければいけないと思っております。
 国会は、残すところ1週間しかありませんが、これについてはみんな怒っています。野党は怒っていませんが、与党は森さんも怒っているし、色々な方が「何でこんなに早く止めるんだ」「訳がわからない」といって怒っています。一番怒ったのが、自民党の細田国対委員長だと思います。1回くらい延長するのではないかと思って比較的ゆっくりと色々なことをやってまいりましたが、重要法案が審議、採択されない状態という異常事態になっています。教育基本法も、手を付けたものの結局審議が十分にないまま、継続になるのか、廃案になるのか、与党は継続にしたいといっておりますが、そういう状況であります。今日になって慌てて防衛庁を防衛省にする法案も出てまいりましたが、これも全く議論すらする余地がない。共謀罪も民主党案を丸呑みするという前代未聞のことが起こったわけですが、結局、それでは条約の求めることが満たされないと麻生大臣が言い出しまして、与党の中でいかに連絡が悪いということが露呈されたわけであります。そういった、重要法案を次々に先送りにしたということであります。
 そういう中で、まもなく二つの法案が成立いたします。一つは北朝鮮人権法案。これは、民主党案、自民党案がありましたが、大体合意ができて、そして北朝鮮に対する将来制裁を可能にするということと、脱北者の保護に日本もしっかりと取り組むといったこのふたつをしっかり入れ込んだ法案が与野党合意でできる方向であります。そしてもう一つはガン対策基本法。これは、民主党がこの法案を国会に提出いたしました。我々は、医療費の負担を上げる前に、まず病気になる人を減らすべきだということを主張したわけです。日本人の3人に1人はガンで亡くなっていますが、ガンは今治らない病気ではありません。早く発見して、キチンと対応すれば直る病気です。そのことを通じて医療費の削減にも繋がると考えています。10年遅れているといわれているガン対策を、国際的な先進国のレベルに引き上げるという法案であります。これも与党は、このような法案はけいしからんとして、ずっと触らずにおりましたが、その間与党は法案を一生懸命作らせていたんです。ほとんど、コピー商品といってよいでしょう。これらを、与野党がお互いに調整して成立させる。これは、我々が法案を出したことで与党もやらざるを得ないということで、追いかけてきたわけであります。我々は、対極法案をつくってまいりますが、こういったガンの問題、あるいは人権問題などそのような問題については、我々が与党を先導して成立させているということです。
 最後に一つだけ、これからの民主党ですが、私は一つの改革を進めていくということは大事であると考えています。小泉さんのような簡単な改革、例えば年金の問題、一元化をはじめとする年金の抜本改革、その改革案は先送りであります。最近、平均出生率もまた下がりました。社会保険庁のあの不祥事などは、払いたくない人に払ってくださいというのが如何に困難かを示しているようなものです。私たちはこういった問題にキチンと対応するための、本当の年金構造改革を行っていくことが大事であるとしているわけですが、そのようなことを我々が政権党であればやっていく考えです。社会保障制度全体の改革、人口が減り始めた時代要求に合わせた改革をしっかりとやり貫かなくてはいけないと思っています。
 あとひとつは、分権についてですが、やはり地方のことは地方でやり抜いていくという改革をしっかりやっていかなくてはいけないと思います。
小泉さんがやるといって結局進まなかったことを、本当に国民の立場に立ってやりぬいていくことが第一であると考えています。
 第二には公正ということで、小泉さんの政策に最も欠けていたことであります。私は予算委員会で格差の問題を取り上げました。まず、小泉さんは格差の拡大は統計上認められないといって開き直りました。そのようなことをいっても「生活保護を受けている人は増えて、貯蓄ゼロ世帯は戦後最悪のレベルにあるではないか」といいますと、あの人は不利になると突然話題をズラスのです。すり替えの名人であります。「いや、格差はあっていい。イチロー選手をみろ。ああいう人は10億円、20億円の所得を得るということは問題ない。」といわれました。もちろん、そういうプロの人はいるわけでありますが、あるいは努力した人と努力しない人が同じ所得しかもらえないという世の中を我々は目指しているのではありません。当然格差はありますが、しかし、問題はその格差の拡大が続いていって固定化していく傾向があるという現状をしっかり見据えて、ここを政治が対応していかなくてはいけないということだと思います。問題がないといってしまったら、そういう対応、具体的な対応がでてこなくなります。そういう意味で、格差の問題、あるいはチャンスを平等にする。これでも機会的なチャンスの平等ではなくて、本当の意味でチャンスを平等にすることが必要です。そのために公立の小中学校をしっかり立て直していく。そのために我々は教育についての予算を増やすべきだと申し上げているわけであります。そのような公正という考え方、切り口で政策を組み立てていくということが二番目です。
 そして三番目は外交です。小泉さんは今度アメリカへ行かれて、ブッシュ大統領と、大統領専用機を出してもらい、エルビスプレスリーの生まれた家を見に行かれるそうです。テネシーまで行かれるということなのですが、大統領専用機の私的利用ということで、アメリカで問題が起こらなければよいのですが。
 そのようなことをしているよりも、日米間でも真剣に話し合わなければいけないテーマがたくさんあると思います。例えば牛肉の輸入再開の問題でも、我々は非常に問題があると考えています。あるいは今回の米軍再編の問題も、日本が独立国としてアメリカと利害が異なったときに、どうやって歯止めを掛けることができるか、その担保が最低限ないと、米軍の一部に自衛隊がなってしまう事態になったらどうしようもない。
 私たち民主党の考えは、日米間、中国に対する考え方、アジア外交など、民主党政権になれば、しっかりとやりぬいていくということだと思っています。
 色々いいましたが、政権を取れなければ絵に描いた餅であります。我々は政策論をやりながら、戦い抜いて、参議院選挙の勝利、総選挙における政権交代、このことをしっかりやりぬいていくということを最後いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。

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